- 2026年6月6日
学校の耳鼻科検診とは? 受診のお知らせやプールとの関係を校医が解説

- 園や学校での耳鼻科検診の目的
- どんな病気が見つかるの?
- 「受診のお知らせ」をもらったら?
- プールに入れない病気はある?
- よくある質問
- まとめ
毎年春から初夏にかけて、園や学校の耳鼻科検診が行われます。「受診のお知らせをもらったけれど、症状がない」「プールに入っても大丈夫?」といったご相談を受けることが少なくありません。今回は学校耳鼻科検診の目的や受診の必要性、プールとの関係について解説します。
1.園や学校での耳鼻科検診の目的
園や学校での耳鼻科検診は「プールに入れるかどうかを判断するための検査」ではありません。聞こえや鼻呼吸、睡眠の質に影響する病気を早期に発見し、お子さんの学習や成長を支えるための大切なスクリーニング検査です。受診のお知らせをもらった場合は、プールの可否だけでなく、お子さんの耳や鼻、のどの状態を確認する機会として考えていただければと思います。
このため、検診で耳垢のみを指摘されて受診された場合でも、耳垢の除去だけではなく、中耳炎の有無や鼻炎、扁桃肥大など関連する疾患がないかも含めて診察しております。
2.どんな病気が見つかるの?
- 外耳道や鼓膜、耳介の異常 (炎症や奇形など)
- 耳垢および耳垢栓塞
- 滲出性中耳炎、急性中耳炎、慢性中耳炎などの中耳炎
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎
- 鼻閉
- 扁桃肥大
- アデノイド肥大
このような病気や状態が見つかります。なお、難聴については通常、耳鼻科検診とは別に実施される聴力検査で確認します。

正常鼓膜

滲出性中耳炎
3.「受診のお知らせ」をもらったら?
学校の耳鼻科検診で「受診のお知らせ」をもらうと、「すぐに治療が必要なのでは?」と心配になる保護者の方もいらっしゃいます。
しかし、学校検診は短時間で多くのお子さんを診察するためのスクリーニング検査です。そのため、「病気と確定した」という意味ではなく、「詳しく調べた方がよい可能性があります」というお知らせとお考えください。
実際に受診してみると、耳垢が多かっただけであったり、すでに改善していたりすることもあります。一方で、滲出性中耳炎やアレルギー性鼻炎など、お子さん自身が症状を自覚しにくい病気が見つかることもあります。
特に滲出性中耳炎は痛みがないことが多く、聞こえにくさに気付かないまま過ごしているケースも少なくありません。また、鼻づまりが続くことで睡眠の質や集中力に影響していることもあります。
さらに、特に小さなお子さんは「聞こえにくい」「鼻が詰まっている」といった症状を自分から訴えないことも少なくありません。
受診のお知らせをもらった場合は、慌てる必要はありませんが、そのままにせず、一度耳鼻咽喉科で確認することをおすすめします。
4.プールに入れない病気はある?
中央区では、早い学校では5月頃から水泳の授業が始まります。学校検診で耳鼻科受診を勧められた場合、保護者の方から最もよくいただく質問の一つが「プールに入れますか?」というものです。
結論から言うと、学校の耳鼻科検診で何かを指摘されたからといって、直ちにプールが禁止になるわけではありません。
例えば、
- アレルギー性鼻炎
- 耳垢
- 軽度の鼻炎
などであれば、通常はプールに参加できることがほとんどです。
また、近年では滲出性中耳炎に対して鼓膜チューブを留置しているお子さんでも、学校プールへの参加が可能とされることが多くなっています。
しかしながら、検診で耳鼻科受診を勧められたら、必ず受診はしてください。鼻炎が原因で滲出性中耳炎になっていたり、耳垢を掃除したら中耳炎が見つかることもあります。
一方で、次のような場合にはプールを控えたり、主治医への確認が必要になったりすることがあります。
- 急性中耳炎で耳漏(耳だれ)や強い炎症がある場合
- 慢性中耳炎で鼓膜に穿孔(穴)があり、耳漏を認める場合
- 症状の強い副鼻腔炎がある場合
- 耳の手術直後の場合
ただし、実際には病気の名前だけで一律に判断できるものではなく、症状の程度や治療状況によって対応が異なります。プール参加の可否について心配な場合は、受診時にお気軽にご相談ください。

5. よくある質問
Q. 学校検診で「受診のお知らせ」をもらいました。すぐに受診した方がよいですか?
A. 緊急性が高いことはほとんどありませんが、一度耳鼻咽喉科で確認することをおすすめします。学校検診は短時間で行うスクリーニング検査のため、「病気と確定した」という意味ではなく、「詳しく診てもらった方がよい可能性があります」というお知らせです。
Q. 耳垢で受診を勧められました。自宅で取ってもよいですか?
A. 見える範囲の耳垢であれば無理のない範囲で構いませんが、綿棒などで奥へ押し込んでしまうことも少なくありません。特にお子さんの場合は外耳道が狭いため、耳鼻咽喉科で安全に除去することをおすすめします。
Q. 学校検診で異常を指摘されましたが、本人は何も症状がありません。
A. 滲出性中耳炎やアレルギー性鼻炎などは、お子さん自身が症状に気付きにくいことがあります。症状がないから問題ないとは限らないため、一度受診して確認すると安心です。
Q. 鼓膜チューブが入っていますが、プールに入れますか?
A. 多くの場合、学校プールへの参加は可能です。ただし、飛び込みを繰り返す場合や耳の状態によっては注意が必要なこともあります。主治医の指示に従ってください。
Q. 耳鼻科検診で異常を指摘されたら、プールは休ませた方がよいですか?
A. 必ずしも休ませる必要はありません。アレルギー性鼻炎や耳垢、軽度の鼻炎などであれば、通常はプール参加が可能です。心配な場合は受診時にご相談ください。
Q. 学校検診の結果用紙は受診時に持参した方がよいですか?
A. ぜひお持ちください。学校でどのような所見があったのかを確認できるため、診察や説明がスムーズになります。
6.最後に
私は2年前から晴海西中学校の校医を担当しています。こちらの中学校は、開校した2024年は約200名、2025年は約350名、今年は約450名と徐々にというよりも、かなり急激に生徒数が増えています。
晴海地区は人口増加が続いており、晴海西中学校の生徒数も年々増加しています。これだけ生徒数が増えているのは、もちろん周囲にお住まいの人口が増えてきたからですが、新しい土地に来られて、どこに耳鼻科があるのかわからない方も多いのではないかと存じます。
私ども勝どきみなみクリニック耳鼻咽喉科は勝どき4丁目にあり、晴海地区から最寄りの勝どき駅をご利用になる方にも通院しやすい場所にあります。当院では耳の微細な症状を見分けるために内視鏡カメラや手術用顕微鏡を使用してより詳細な診断ができるように努めています。検診で耳鼻科受診を勧められた場合や、お子さんの耳・鼻・のどについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
