- 2026年10月21日
- 2026年10月13日
鼻づまりのレーザー治療を考えるなら秋から冬に|下鼻甲介レーザー焼灼術という選択
薬を続けても、鼻づまりだけが残っている方へ
「毎年、アレルギーの薬を飲み続けているのに、鼻づまりだけはすっきりしない」「夜、鼻が詰まって口で息をしているせいか、朝起きるとのどが乾いている」。アレルギー性鼻炎の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
くしゃみや鼻水は薬でかなり抑えられても、鼻づまりは残りやすい症状です。とはいえ「手術」と聞くと、入院が必要なのではないか、痛いのではないかと身構えてしまい、そのまま何年も過ごしている方も少なくありません。
アレルギー性鼻炎の鼻づまりに対しては、外来で日帰りで受けられるレーザー治療という選択肢があります。そして、この治療には受けるのに向いた時期があります。この記事では、下鼻甲介(かびこうかい)レーザー焼灼術がどのような治療なのか、なぜ秋から冬に検討するのがよいのか、当日の流れや費用、受けられる方の目安までを整理します。

下鼻甲介レーザー焼灼術とは、どんな治療ですか?
鼻の中には、左右それぞれの壁から張り出したひだがあり、そのいちばん下にあるものを「下鼻甲介」といいます。吸い込んだ空気を温めたり湿らせたりする役割を持つ部分です。
アレルギー性鼻炎があると、この下鼻甲介の粘膜が腫れて、空気の通り道が狭くなります。これが鼻づまりの大きな原因です。
下鼻甲介レーザー焼灼術は、腫れた下鼻甲介の粘膜の一部をレーザーで焼いて減量させることで、空気の通り道を広げる治療です。アレルギー性鼻炎に対する手術治療のひとつで、健康保険が適用されます。当院では炭酸ガスレーザーを使い、鼻の内視鏡で粘膜を確認しながらレーザーを照射しています。
ひとつ知っておいていただきたいのは、この治療で体の中のアレルギー反応そのものが変わるわけではないという点です。アレルギーの体質はそのままですが、不快な症状が改善することで、通院や内服を減らせる可能性があります。
どんな鼻づまりに向いていますか?
レーザー治療が効果を期待しやすいのは、鼻づまりの原因が鼻の粘膜の腫れである場合です。鼻水やくしゃみが軽くなることもあります。
一方で、鼻の中の仕切り(鼻中隔)が大きく曲がっているなど、鼻の形そのものが原因の場合は、レーザーでは改善しないことがあります。そのため当院では、手術の前に内視鏡で鼻の中を確認し、鼻中隔の曲がりの有無などを調べたうえで、適応がある場合にのみレーザー治療をお勧めしています。
なぜ「秋から冬」に検討するのがよいのですか?
花粉症がある方は、花粉の飛ぶ時期を避けて手術を受けるのが基本です。鼻アレルギーの診療ガイドラインでも、花粉症の場合はシーズン中の手術は避けるべきとされています。
スギ花粉は例年2月ごろから飛び始めます。そこから逆算すると、秋から冬が検討に向いた時期になります。理由は次のとおりです。
- 術後しばらくは、鼻の中にかさぶたができます。経過を見るために、数日後から1週間後に再診が必要です
- 効果は治療後1か月ほどで見ていきます。効果が乏しい場合は、もう一度手術を行うことがあります
- この経過を、スギ花粉が飛び始める前に終えておけると安心です
秋の花粉症(ブタクサ・ヨモギなど)がある方は、その飛散が落ち着いてからのご相談がよいでしょう。ダニやハウスダストによる通年性のアレルギー性鼻炎の方は、時期を問わずご相談いただけます。ただし、スギ花粉症を併せ持っている方は、やはり春の飛散期は避けて計画します。
これから妊娠・出産を考えている方にも、この考え方は当てはまります。妊娠中はお薬が飲めない時期があるため、花粉症がある方などは、症状が出ていない時期にレーザー手術を受けておかれることを当院ではお勧めしています。

治療当日は、どのように進みますか?
まずは通常の診察で鼻の状態を確認し、レーザー治療が適しているかを判断します。レーザー治療は時間予約で行っていますので、受けてみたいと思われた方は、診察のときに医師にご相談ください。
治療当日の流れは、おおむね次のとおりです。
- 表面麻酔:麻酔薬を浸したガーゼを鼻の中に入れて麻酔をします。注射は使いません。この表面麻酔に20〜30分ほどかかります
- レーザー照射:内視鏡で粘膜を確認しながら、下鼻甲介にレーザーを当てます。照射そのものは10分程度です
- 帰宅:日帰りで、入院の必要はありません。術後のお食事はもちろん、当日から軽い入浴もできます
術後は、かさぶたの状態を確認するため、数日後から1週間後に再診していただきます。
効果は、どれくらい続きますか?
レーザーで処置した鼻の粘膜は、時間とともに再生します。そのため、効果は期間が限られたものと考えてください。
成人の場合、効果が続くのはおおむね2〜3年ですが、個人差があります。長い方では4〜5年、短い方では1年ほどということもあります。症状が戻ってきたと感じたら、あらためて診察のうえでご相談ください。
費用と、受けられる方の目安
費用
- 健康保険が適用されます。3割負担の方で、両鼻9,000円程度です
- 15歳までのお子さまは、医療証もご利用いただけます
- 上記はレーザー手術の目安です。詳しくは診察時にご確認ください
受けられる方の目安
- 小学生以上の方。低学年のお子さまでも、落ち着いて座っていられれば行えます
- 妊娠中・授乳中の方も受けていただけます
- 手術前の内視鏡による確認で、レーザーの効果が見込める状態であること
舌下免疫療法とは、どう違いますか?
アレルギー性鼻炎の治療には、レーザー治療のほかに舌下免疫療法もあります。どちらも、薬を飲み続ける以外の選択肢ですが、考え方が異なります。
- レーザー治療は、腫れた粘膜に処置をして、鼻づまりなどの症状を出にくくする治療です。アレルギーの体質そのものは変わりません
- 舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質を少量ずつ毎日取り込み、体を慣らしていく治療です。スギ花粉とダニが対象で、治療期間は3〜5年と長くかかります
どちらが合うかは、原因となる物質や症状の出方、生活のご事情によって変わります。原因を調べるアレルギー検査も含めて、診察のうえでご相談ください。
よくあるご質問
Q. レーザー治療は痛くないですか。
A. 麻酔薬を浸したガーゼで表面麻酔を行ってから照射します。注射は使いません。術後の痛みや出血もほとんどないため、日帰りで行っています。
Q. 治療は一度で終わりますか。
A. 通常は一度の手術です。ただし、治療後1か月ほど経っても効果が乏しい場合は、複数回の手術が必要になることがあります。
Q. 花粉が飛んでいる時期には受けられませんか。
A. 花粉症の方は、飛散の時期を避けて手術を受けるのが基本です。スギ花粉症がある方は、飛び始める前の秋から冬に検討されることをお勧めします。
Q. 子どもでも受けられますか。
A. 小学生以上が目安です。低学年のお子さまでも、治療のあいだ落ち着いて座っていられれば行えます。15歳までは医療証もご利用いただけます。
Q. 効果はずっと続きますか。
A. 鼻の粘膜は再生するため、効果は期間が限られます。成人ではおおむね2〜3年ですが、個人差があり、1年ほどの方も、4〜5年続く方もいらっしゃいます。
Q. 妊娠中でも受けられますか。
A. 妊娠中・授乳中の方も受けていただけます。妊娠中はお薬が飲めない時期があるため、花粉症がある方などは、症状が出ていない時期に受けておかれることをお勧めしています。
まとめ:鼻づまりが残るなら、花粉の前に相談を
- 下鼻甲介レーザー焼灼術は、腫れた鼻の粘膜をレーザーで減量させ、空気の通り道を広げる治療です
- アレルギーの体質は変わりませんが、症状の改善で通院や内服を減らせる可能性があります
- 花粉症の方は飛散の時期を避けるのが基本です。スギ花粉の前に経過を終えられる秋から冬が検討に向いています
- 当日は表面麻酔に20〜30分、照射は10分程度で、日帰りで行います
- 費用は保険適用で、3割負担の方なら両鼻9,000円程度です
- 鼻の形が原因の鼻づまりには効かないことがあるため、手術前に内視鏡で適応を確認します
勝どきみなみクリニック耳鼻咽喉科では、勝どき・晴海・月島をはじめとする周辺エリアの方の鼻の症状を診療しております。薬を続けても鼻づまりが残っている方は、まずは診察でご相談ください。
医療法人社団恵水会 勝どきみなみクリニック耳鼻咽喉科 院長
南 愼一
医学博士/耳鼻咽喉科学会認定専門医/耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医/身体障害者福祉法 第15条指定医
参考文献
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