- 2026年11月4日
- 2026年10月13日
空気が乾く季節ののどの痛み|かぜとの見分け方と、受診したほうがよい目安
朝起きると、のどがヒリヒリしていませんか?
暖房を使い始める季節になると、「朝起きるとのどがヒリヒリする」「イガイガが何日も取れない」といったご相談が増えてきます。のど飴や市販の薬でしのぎながら、かぜなのか、乾燥のせいなのか判断がつかないまま、数日が過ぎてしまう方も多いのではないでしょうか。
のどの痛みの多くは、数日のうちに自然におさまっていきます。一方で、なかには早めに診察を受けたほうがよい痛みも含まれています。
この記事では、空気が乾く季節にのどが痛くなりやすい理由と、かぜとの見分け方、そして様子を見てよい場合と受診したほうがよい場合の目安を整理します。

空気が乾くと、なぜのどが痛くなるのですか?
のどの表面は粘膜でおおわれていて、その表面は粘液でうるおっています。この粘液には、吸い込んだほこりやウイルスなどをとらえて外に運び出す役割があります。
空気が乾燥すると、のどの粘膜も乾きやすくなります。粘膜が乾くと、わずかな刺激でもヒリヒリとした痛みやイガイガ感が出やすくなります。また、のどを守るはたらきも弱まりやすくなります。
朝にとくにつらいのは、なぜですか?
寝ているあいだは水分をとらないうえ、暖房の効いた部屋で長時間過ごすことになります。さらに、鼻がつまっていて口を開けて寝ていると、乾いた空気が直接のどに当たり続けます。
そのため、朝起きた直後にのどの痛みが強く、日中に水分をとるうちに少し楽になる、という経過をたどることがよくあります。
かぜによるのどの痛みとは、どう違いますか?
乾燥による痛みと、かぜなどの感染による痛みは、症状だけでははっきり区別できないこともあります。そのうえで、次の点が手がかりになります。
乾燥による痛みで多くみられる特徴
- 朝起きたときに強く、日中は軽くなる
- 熱は出ない
- 水分をとったり、加湿したりすると楽になる
かぜなど感染による痛みで多くみられる特徴
- 時間帯にかかわらず痛む
- 発熱、鼻水、せき、だるさなどを伴う
- 痛みが数日かけて強くなっていくことがある
溶連菌による咽頭炎は、かぜと少し違う
のどの痛みと発熱があるのに、せきや鼻水があまり出ないときは、溶連菌(溶血性連鎖球菌)による咽頭炎・扁桃炎のこともあります。38〜39℃の発熱とのどの痛みが主な症状で、首のリンパ節の腫れや、舌がイチゴのようにツブツブになる症状がみられることもあります。
溶連菌と分かった場合は、抗菌薬を処方して治療します。当院では溶連菌の簡易検査を行っており、5分から15分程度で結果が分かります。インフルエンザや新型コロナ、アデノウイルスについても、迅速検査を行っています。

受診したほうがよいのは、どんなときですか?
すぐに受診していただきたい症状
次のような症状があるときは、様子を見ずに早めに受診してください。
- 唾を飲み込むのもつらいほど、のどが痛い
- 口が開けにくい、片側の痛みが耳のほうまで広がってきた
- 声がこもる、飲み込めずに唾液があふれる
- 息苦しさがある、息を吸うときにゼーゼーという音がする
これらは、扁桃のまわりに炎症や膿がたまる「扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍」や、のどの奥にある喉頭蓋(こうとうがい)が腫れる「急性喉頭蓋炎」などのサインであることがあります。急性喉頭蓋炎は、腫れによって空気の通り道がふさがり、窒息に至ることもある病気です。
当院では、急性喉頭蓋炎が疑われるときには内視鏡でのどの奥の状態を確認しています。ただし、短時間で呼吸が苦しくなってきた場合など、一刻を争う状態のときは、入院施設のある医療機関を急いで受診してください。
早めに受診を検討したほうがよい症状
- 38℃以上の発熱を伴っている
- のどの痛みが数日たっても良くならない、またはだんだん強くなっている
- 首のリンパ節が腫れて痛む
- 水分や食事がとりにくくなってきた
- 声がれが続いている
- 同じような痛みを何度も繰り返している
のどの奥は、自分では見ることができません。耳鼻咽喉科では、内視鏡を使って、口から見える範囲よりも奥の状態まで確認することができます。
家庭でできることはありますか?
熱がなく、乾燥による痛みと考えられる場合は、のどの乾燥を防ぐ工夫が基本になります。
- こまめに水分をとる。一度にたくさんではなく、少しずつ回数を分けて
- 部屋を加湿する。加湿器や、ぬれたタオルを干すのも一つの方法です
- 寝るときにマスクをする。吸い込む空気の湿度が保たれ、朝の乾燥が和らぎます
- 大きな声を出しすぎない。のどを休めることも大切です
- 鼻づまりがあるなら、そちらも見直す。口呼吸が続くと、のどの乾燥が続きます
これらで良くならない場合や、上に挙げた症状がある場合は、市販薬で長くしのがずに、一度診察を受けてください。
よくあるご質問
Q. のど飴や市販薬で様子を見てもよいですか。
A. 熱がなく、乾燥による軽い痛みであれば、加湿や水分補給とあわせて様子を見ることもできます。ただし、数日たっても良くならない場合や、強い痛み・発熱・息苦しさがある場合は、受診をご検討ください。
Q. 熱はないのに、のどの痛みだけが続いています。
A. 乾燥や、鼻づまりによる口呼吸が関係していることがあります。一方で、痛みが続く背景に別の原因が隠れていることもあります。長引く場合は、内視鏡でのどの奥まで確認しますのでご相談ください。
Q. のどの痛みで耳鼻咽喉科を受診してもよいのですか。
A. はい。のどは耳鼻咽喉科の診療範囲です。内視鏡でのどの奥の状態を確認したり、溶連菌などの迅速検査を行ったりすることができます。
Q. 溶連菌の検査には、どのくらい時間がかかりますか。
A. 当院の溶連菌の簡易検査は、5分から15分程度で結果が出ます。溶連菌と分かった場合は、抗菌薬を処方します。
Q. 唾を飲み込むのもつらいほど痛いのですが、受診したほうがよいですか。
A. はい、早めに受診してください。扁桃のまわりに炎症や膿が広がっている可能性があります。息苦しさや、息を吸うときのゼーゼーという音がある場合は、入院施設のある医療機関を急いで受診してください。
まとめ:のどの痛みは「様子を見てよいか」を見極める
- 空気が乾くとのどの粘膜も乾き、痛みやイガイガ感が出やすくなります
- 朝に強く、日中に軽くなる、熱がない痛みは、乾燥が関係していることがあります
- 発熱があるのにせきや鼻水が少ないときは、溶連菌のこともあります
- 唾も飲み込めない痛み、口が開けにくい、息苦しさがあるときは、早めの受診が必要です
- 加湿・水分補給・寝るときのマスクなど、のどの乾燥を防ぐ工夫が家庭での基本です
- 当院では、内視鏡でのどの奥を確認し、溶連菌などの迅速検査を行っています
勝どきみなみクリニック耳鼻咽喉科では、勝どき・晴海・月島をはじめとする周辺エリアの方ののどの症状を診療しております。のどの痛みが続いて不安なときは、お気軽にご相談ください。
医療法人社団恵水会 勝どきみなみクリニック耳鼻咽喉科 院長
南 愼一
医学博士/耳鼻咽喉科学会認定専門医/耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医/身体障害者福祉法 第15条指定医
参考文献
- Pelucchi C, Grigoryan L, Galeone C, et al. Guideline for the management of acute sore throat. Clinical Microbiology and Infection. 2012;18(Suppl 1):1-28. doi:10.1111/j.1469-0691.2012.03766.x
- Long B, Gottlieb M. Managing Peritonsillar Abscess. Annals of Emergency Medicine. 2023;82(1):101-107. doi:10.1016/j.annemergmed.2022.10.023
- Hanna J, Brauer PR, Berson E, et al. Adult epiglottitis: Trends and predictors of mortality in over 30 thousand cases from 2007 to 2014. The Laryngoscope. 2019;129(5):1107-1112. doi:10.1002/lary.27741
